「ローソンは法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
株式会社ローソンとは?

会社概要
正式社名 | 株式会社ローソン(Lawson, Inc.) |
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設立 | 1975年4月15日 |
所在地 | 東京都品川区大崎一丁目11番2号(ゲートシティ大崎イーストタワー) |
資本金 | 585億664万4千円 |
連結従業員数 | 11,928人(連結) |
代表 | 代表取締役 社長 竹増 貞信 |
上場 | 未上場(2024年7月24日に上場廃止) |
総店舗数 | 国内 14,694店(2025年2月末現在) |
公式サイト | https://www.lawson.co.jp/ |
主な事業内容
コンビニエンスストア「ローソン」を中心に、ナチュラルローソンやローソンストア100など多様なフォーマットを展開。フランチャイズチェーン運営、商品開発・物流・デジタルサービス、エンタメ・金融関連まで幅広く事業を行っています。
グループ会社・店舗展開
ローソングループは、国内外に約1万8,000店舗を展開するほか、金融・エンタメ・物流など多様な関連事業を持っています。障害者雇用を支える特例子会社も含め、グループ会社全体で社会的役割を担っています。
- ローソンストア100(生鮮・日配を強化した100円業態)
- ローソンエンタテインメント(チケット・音楽・映像ソフト等)
- ローソン銀行(ATM・金融サービス)
- ローソン物流(商品配送・サプライチェーン事業)
- ローソンスタッフ(人材派遣・教育研修事業)
- 株式会社ローソンウィル(特例子会社。障害者雇用を目的に設立し、事務・軽作業・バックオフィス業務を担う)
このように、ローソングループはコンビニ事業にとどまらず、金融、エンタメ、物流、人材、障害者雇用の特例子会社まで幅広い事業を展開しています。
ローソンの障害者雇用への取り組み
障害者雇用に関する基本方針
ローソングループはDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を推進し、障がいのある方の雇用機会の創出と活躍支援に取り組んでいます。直近公表値では、グループ計の障がい者雇用率は2.23%(2024年2月末・契約ベース)です。
特例子会社「株式会社ローソンウィル」ってどんな会社?
株式会社ローソンウィルは、2012年に設立され、2013年1月31日に特例子会社として厚生労働大臣の認定を受けた、ローソングループの障害者雇用を支える企業です。社名の「Will」には「意志」や「未来への希望」といった意味が込められており、誰もが自分らしく働ける場を提供することを目指しています。
事業内容
- 本社部門での事務サポート(データ入力、郵送・帳票処理、資料作成など)
- 店舗や物流センターでの軽作業(清掃、仕分け、商品補充、製造補助など)
- グループ全体の庶務業務やオフィスサポート
特徴と役割
ローソンウィルでは、障がいのある社員が安心して長く働けるよう、合理的配慮を取り入れた職場環境を整えています。業務内容は社員の特性に応じて設計されており、就業後も定着支援や研修を通じてキャリア形成をサポートしています。グループの障害者雇用率を支える中核企業として、ローソン全体のダイバーシティ推進に大きな役割を果たしています。
具体的な取り組み事例
- 本社部門でのデータ入力、帳票処理、郵送・庶務等の事務サポート
- 店舗・倉庫での軽作業(清掃、仕分け、製造補助 など)
- 合理的配慮(勤務時間・業務内容の調整、作業環境の整備)と定着支援
法定雇用率とは?
法定雇用率の定義と仕組み
法定雇用率とは、障害者雇用促進法に基づき、企業や行政機関に義務付けられている「障害者を雇用しなければならない割合」のことです。すべての企業が対象ではなく、従業員数が一定以上の規模の事業主に適用されます。
民間企業の場合、常用労働者が43.5人以上いると、障害者雇用の義務が発生します。法定雇用率は2024年4月に2.5%に引き上げられ、さらに2026年7月には2.7%になる予定です。つまり、従業員数100人の企業なら最低2人、1,000人の企業なら25人以上の障害者を雇用しなければならないという仕組みです。

計算方法と対象労働者
必要な障害者の雇用人数は「常用労働者数 × 法定雇用率」で算出します。短時間労働者(週20時間以上30時間未満)は0.5人としてカウントされるなど、正確な計算にはルールがあります。また、身体障害・知的障害・精神障害など幅広い障害が対象となっています。

未達成の場合の措置
法定雇用率を満たしていない企業には「障害者雇用納付金制度」が適用され、不足人数1人あたり月額5万円を国に納付する必要があります。さらに、指導・勧告、最終的には企業名の公表といった措置が取られることもあります。単なるペナルティではなく、障害者雇用の推進を目的とした制度設計になっているのが特徴です。

特例子会社制度との関係
大企業では、障害者雇用を専門的に進めるため「特例子会社」を設立するケースが多く見られます。特例子会社が雇用した障害者は、親会社と合算して法定雇用率を計算できるため、安定した雇用機会を生み出す仕組みとして活用されています。ローソンの場合も「株式会社ローソンウィル」がその役割を担っています。

従業員数から見る必要な障害者雇用人数
法定雇用率は「従業員数 × 法定雇用率」で必要な障害者の雇用人数を算出します。企業規模が大きくなるほど必要人数は増加するため、大企業にとっては大きな課題となります。ローソンの従業員数を12,000人とした場合、次のように計算されます。
現在(2.5%)の必要人数
2024年4月から、民間企業の法定雇用率は2.5%です。従業員12,000人のローソンでは、
12,000人 × 2.5% = 300人
となり、約300人の障害者を雇用する必要があります。
2026年7月以降(2.7%)の必要人数
2026年7月からは、法定雇用率が2.7%に引き上げられる予定です。同じく従業員12,000人で計算すると、
12,000人 × 2.7% = 324人
となり、今後は320人以上の雇用が必要になります。
数字から見えるポイント
- 従業員数12,000人規模の企業では、300人を超える障害者雇用が求められる。
- 特例子会社「ローソンウィル」の設立は、この大きな雇用ニーズに応える仕組みといえる。
- 2026年以降はさらに基準が上がるため、今後の採用・定着支援の強化が不可欠。
このように、従業員数をもとに具体的な人数を算出することで、法定雇用率の達成に向けてどれだけの体制整備が必要かがより明確になります。
ローソンは法定雇用率を達成しているのか?

ローソンは特例子会社「ローソンウィル」を設立し、事務補助や店舗・物流での軽作業などを通じて障害者雇用を推進しています。公開されているCSRデータによれば、2024年2月末時点の障害者雇用率は2.23%となっているため、2.5%になっている現在は上記の情報であれば達成していないことになります。(ここは現在確認中です)
2024年4月から法定雇用率は2.5%、さらに2026年7月には2.7%に引き上げられる予定です。従業員数12,000人規模のローソンでは、今後は324人以上の障害者雇用が必要になります。
ただ、ローソンは特例子会社を活用した仕組みや多様な職域での雇用創出により、今後も法定雇用率を満たし続ける体動きをとっていくでしょう。
『流通業界』各社の法定雇用率について
「流通業界の各社は法定雇用率を達成しているのか?」会社ごとにまとめていますので是非ご覧ください。