「大丸松坂屋百貨店は法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
大丸松坂屋百貨店とは?

会社概要
会社名 | 株式会社大丸松坂屋百貨店 |
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所在地 | 東京都江東区木場二丁目18番11号 |
設立年 | 2010年(大丸と松坂屋の経営統合により発足) |
資本金 | 100億円 |
従業員数 | 約6,000名(連結ベース) |
親会社 | J.フロント リテイリング株式会社 |
公式サイト | https://www.daimaru-matsuzakaya.com/ |
主な事業内容
大丸松坂屋百貨店は、大丸・松坂屋を中心とした全国規模の百貨店事業を展開しています。衣料品、生活雑貨、食料品、レストラン、イベント事業など幅広い分野をカバーし、日本の百貨店業界を代表する企業のひとつです。
グループ会社
会社名 | 事業内容 |
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大丸松坂屋百貨店 | 百貨店事業 |
株式会社パルコ | 商業施設事業(PARCOの運営) |
株式会社JFRカード | クレジットカード事業(大丸松坂屋カードなど) |
株式会社JFRクリエ | 特例子会社(障がい者雇用推進・事務・清掃など) |
株式会社J.フロントONEパートナー | 人材・事務サービス |
百貨店業界における位置づけ
大丸松坂屋百貨店は、三越伊勢丹、高島屋と並び「三大百貨店グループ」と称される存在です。全国主要都市に店舗網を持ち、J.FRONTリテイリングの中核企業として百貨店業界をリードしています。
J.FRONTリテイリングと大丸松坂屋百貨店の関係は?
大丸松坂屋百貨店は、J.FRONTリテイリング株式会社のグループ会社であり、百貨店事業を担う中核企業です。
J.FRONTリテイリングは持株会社として、グループ全体の経営戦略や事業運営を統括しており、その傘下には大丸松坂屋百貨店のほか、パルコ(商業施設事業)、JFRカード(金融事業)、JFRサービス(人材サービス)、特例子会社のJFRクリエなどがあります。
つまり、J.FRONTリテイリングが「親会社」としてグループ全体を支え、その中で大丸松坂屋百貨店が全国規模の百貨店運営を行うという関係性です。
特例子会社「JFRクリエ」の役割

設立背景と目的
「JFRクリエ株式会社」は、J.FRONTリテイリンググループの特例子会社として設立されました。
障がいのある方々が安心して働ける環境を整備し、雇用機会を拡大することを目的としています。特例子会社制度を活用することで、グループ全体の法定雇用率の達成にも寄与しています。
具体的な業務内容
JFRクリエでは、障がいのある従業員が多様な業務に従事しています。代表的な業務は以下のとおりです。
- オフィス内外の清掃業務
- 伝票や書類のチェック
- パソコンやデバイスのセットアップ・サポート
- バックオフィス業務のサポート
雇用拡大の実績
現在、JFRクリエの就労拠点は40か所以上に広がっており、多くの障がいのある従業員が活躍しています。業務の幅も年々拡大しており、グループ全体の多様性推進において重要な役割を果たしています。
大丸松坂屋百貨店の障がい者雇用の特徴
多様な職域の確保
大丸松坂屋百貨店では、販売フロアやバックオフィスにとどまらず、清掃・物流・事務サポートなど幅広い職域で障がいのある従業員が活躍しています。
個々の特性や強みに応じた業務を用意することで、無理なく長期的に働ける環境を整備しています。
働きやすさを支える制度
障がいのある従業員が安心して働けるように、勤務時間の配慮やサポート体制の整備にも力を入れています。人事部門や支援機関と連携し、職場適応のフォローやスキル向上の研修も行われています。
今後の展望
今後もJ.FRONTグループの一員として、多様性を尊重する企業文化をさらに強化し、障がい者雇用の拡大と定着に取り組む方針です。
特例子会社「JFRクリエ」との連携を深めながら、百貨店業界におけるモデルケースとなることが期待されています。
法定雇用率とは?

法定雇用率とは、障害者雇用促進法によって企業や公的機関に義務付けられている「障がい者を雇用しなければならない割合」のことです。常用労働者が一定数以上いる事業主には、雇用義務が発生します。
法定雇用率の定義と仕組み
法定雇用率は、事業主が雇用している従業員の総数に対して、障がい者を雇うべき割合を示したものです。この割合は厚生労働省によって定められ、社会情勢や障がい者の雇用環境に応じて引き上げられています。
対象企業と義務内容
- 民間企業:従業員43.5人以上で雇用義務が発生
- 国や地方公共団体:すべての機関に適用
- 独立行政法人など:同様に雇用義務あり
対象となる企業は、この割合以上の障がい者を雇用しなければならず、未達の場合は行政指導や納付金制度の対象となります。

計算方法と対象労働者
必要な障がい者の雇用人数は、以下の計算式で求められます。
常用労働者数 × 法定雇用率 = 必要な障がい者雇用人数
現在(2024年4月〜)の民間企業の法定雇用率は2.5%、2026年7月からは2.7%に引き上げられる予定です。例えば、従業員が1,000人の企業であれば、2024年時点では25人以上、2026年以降は27人以上の障がい者を雇用する必要があります。

大丸松坂屋百貨店の法定雇用率達成してる?

大丸松坂屋百貨店単体での雇用率
大丸松坂屋百貨店の障がい者雇用率は、2024年6月時点で2.99%と公表されています。法定雇用率(2.5%)を上回っており、百貨店単体としても基準を満たしていることがわかります。
J.FRONTグループ全体での雇用率
親会社であるJ.FRONTリテイリング株式会社のグループ全体では、同じく2024年時点で3.09%を達成しています。
この数値には特例子会社「JFRクリエ」での雇用実績も含まれており、グループ全体で安定的に法定雇用率を超えていることが特徴です。
法定雇用率は基本的に会社ごとに算定されますが、特例子会社を設立した場合には、親会社やグループ全体の雇用率に合算することが可能です。大丸松坂屋百貨店は単体でも基準を超えていますが、グループ全体ではさらに高い水準にある点が注目されます。
『流通業界』各社の法定雇用率について
「流通業界の各社は法定雇用率を達成しているのか?」会社ごとにまとめていますので是非ご覧ください。