「ウエルシアホールディングスは法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
ウエルシアホールディングス株式会社とは?

会社概要
会社名 | ウエルシアホールディングス株式会社 |
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所在地 | 東京都千代田区外神田二丁目2番15号 |
設立 | 2008年9月1日 |
代表 | 桐澤 英明(代表取締役) |
資本金 | 77億円 |
従業員数 | 約52,000人 |
親会社 | イオン株式会社(連結子会社) |
上場市場 | プライム市場(3141) |
公式サイト | https://www.welciahd.co.jp/ |
主な事業内容
ウエルシアホールディングスは、ドラッグストア事業を中心に展開している企業グループです。医薬品の販売だけでなく、調剤併設型店舗を強みとしており、日用品や食品、介護関連商品まで幅広く取り扱っています。近年は「調剤併設」「カウンセリング」「深夜営業」「介護」の4つを柱とした経営戦略を打ち出しています。
グループの規模と特徴
ウエルシア薬局をはじめ、ハックドラッグ、ダックスなど地域密着型の店舗ブランドを展開しており、全国で3,000店舗以上を運営しています。売上高はドラッグストア業界トップクラスであり、イオングループのヘルス&ウエルネス事業を担う中核企業です。
グループ会社
会社名 | 公式サイト |
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ウエルシア薬局株式会社 | https://www.welcia-yakkyoku.co.jp/ |
ハックドラッグ株式会社 | https://www.hac-drug.com/ |
ダックス株式会社 | https://www.dacs.co.jp/ |
B.B.ON(ビビオン)株式会社 | https://www.bbon.co.jp/ |
シミズ薬品株式会社 | https://www.simizu-yakuhin.co.jp/ |
株式会社丸大サクラヰ薬局 | https://happydrug.co.jp/ |
株式会社よどや | https://www.yodoyadrug.co.jp/ |
株式会社クスリのマルエ | https://marue-drug.co.jp/ |
株式会社ププレひまわり | https://himawarinews.com/ |
株式会社コクミン | https://www.kokumin.co.jp/ |
株式会社ふく薬品 | https://www.fukuyakuhin.co.jp/ |
株式会社MASAYA | https://colorstudio.co.jp/ |
ウエルシアホールディングスは、これら多数の子会社・関連会社を通じて全国的にドラッグストアを展開し、それぞれ地域やブランドごとに特色あるサービスを提供しています。
ウエルシアホールディングスと障害者雇用
障害者雇用に関する基本方針
ウエルシアホールディングスでは、企業の社会的責任(CSR)およびダイバーシティ推進の観点から、障害のある方が安心して働ける環境づくりに取り組んでいます。
ドラッグストアという生活に密着した事業を展開する中で、地域社会に貢献することを重視しており、その一環として障害者雇用の拡大を継続的に推進しています。
ウエルシアホールディングスは特例子会社あるの?

ウエルシアホールディングスには、障害者雇用を専門に担う特例子会社としてウエルシアオアシス株式会社があります。2011年3月1日に設立され、ウエルシア薬局の店舗業務を中心にサポートする役割を担っています。
特例子会社として、知的・精神障害のある方を中心に雇用し、店舗現場での実務を通じて安定した就労・定着を図る仕組みを整備しています。
会社名 | ウエルシアオアシス株式会社 |
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所在地(本社) | 埼玉県さいたま市見沼区東大宮4-48-5 |
設立 | 2011年3月1日 |
代表者 | 永田 久幸 |
資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | 728名(うち障がい者633名)※2025年8月10日現在 |
拠点数 | 11営業所(本社のほか、茨城など複数エリアに展開) |
公式サイト | https://www.w-oasis.co.jp/ |
採用〜配属〜定着までのプロセスに重心を置き、本社併設の研修センター等での段階的な実習・マッチングを実施。特別支援学校、障害者就業・生活支援センター、ハローワーク等と連携し、本人の適性に合わせた配属を進める運用が特徴です。
- 主な担当業務:店舗の清掃・品出し・陳列、バックヤード業務、緑地帯の整備、什器清掃、調剤関連のデータ入力補助 など
- 育成・支援:段階的な研修(現場実習→定着支援)、指導員配置、支援機関との連携
- 配属の考え方:「親会社店舗で違和感なく働ける人材」を育成し、地域の各店舗へ着実に配属
具体的な雇用の取り組み事例
店舗においては、レジ・品出し・清掃といった接客やバックヤード業務を中心に、障害のある社員が働いています。また、本社や事務部門においても、事務作業やデータ入力などを担当するケースがあります。
グループ全体として「誰もが働きやすい職場づくり」を掲げており、適性に応じた業務内容の調整や、支援機関との連携によるサポート体制も進められています。
法定雇用率とは?

法定雇用率の定義と仕組み
法定雇用率とは、企業や行政機関が雇用する労働者の総数に対して、一定割合以上の障害者を雇用することを義務づけた制度です。障害者雇用促進法に基づいて定められており、「障害のある方が社会の一員として働く機会を確保する」ことを目的としています。
この割合は国が定めており、経済状況や雇用環境に応じて数年ごとに引き上げられる傾向があります。
対象企業と義務内容
民間企業では、常用労働者が43.5人以上いる場合に障害者雇用の義務が発生します。つまり、比較的小規模な企業であっても対象となる可能性がある制度です。
雇用率が未達成の企業には「障害者雇用納付金」の支払いが求められることがあり、逆に達成・超過している企業には助成金や奨励金が支給される仕組みも整っています。これにより、企業の取り組みを促進するバランスが取られています。
計算方法と対象労働者
必要な障害者の雇用人数は、従業員数 × 法定雇用率 で計算されます。
たとえば、従業員が1,000人いる企業であれば、現在の民間企業の法定雇用率が2.5%なので、25名以上の障害者を雇用する必要があります。2026年7月からは2.7%へ、さらに段階的な引き上げも予定されています。
また、雇用率に算入される障害者の範囲やカウント方法にもルールがあります。
- 週30時間以上働く場合 → 1人としてカウント
- 週20時間以上30時間未満 → 0.5人としてカウント
- 重度身体障害者・重度知的障害者(短時間勤務の場合) → 1人としてカウント
- 在宅就業(テレワーク)などの形態も一定条件で対象
このように、雇用率の算定方法は単純な「人数」だけではなく、労働時間や障害の程度も考慮される仕組みになっています。
ウエルシアホールディングスの法定雇用率は?

直近の障害者雇用率
ウエルシアホールディングス単体での障害者雇用率は公表されていませんが、グループ内には特例子会社ウエルシアオアシス株式会社が存在します。2025年8月時点で、同社では従業員728名のうち633名が障害のある社員です。
グループ全体の従業員数は約52,000人規模にのぼります。そのため、現在の法定雇用率2.5%に基づく必要人数は1,300人以上、2026年7月からの2.7%では1,404人以上が必要となります。
2021年には法定雇用率が3.07%になっていると報告されておりますので、障害者雇用に力をいれていることは間違いありません。
今後の取り組み予定
法定雇用率の段階的な引き上げを踏まえ、ウエルシアホールディングスでは特例子会社の体制強化や、新たな職域の拡大が重要な課題となります。
特にドラッグストアという生活密着型の事業特性を活かし、地域に根差した多様な働き方の創出が期待されます。
『流通業界』各社の法定雇用率について
「流通業界の各社は法定雇用率を達成しているのか?」会社ごとにまとめていますので是非ご覧ください。