「ニトリホールディングスは法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
株式会社ニトリホールディングスとは?

会社名 | 株式会社ニトリホールディングス |
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所在地 | 【東京本部】 東京都北区神谷三丁目6番20号 【札幌本社】 札幌市北区新琴似七条一丁目2番39号 |
設立年 | 1972年3月 |
資本金 | 13,370百万円 |
従業員数 | 約19,500人(パート・アルバイト含む) |
事業内容 | グループ会社の経営管理、並びにそれに付帯する業務 |
事業拠点 | 広島本社、東京事務所、全国各地の事業所 |
上場 | プライム市場(9843) 札幌証券取引所上場 |
企業HP | https://www.nitorihd.co.jp/ |
主な事業内容
- 家具・インテリア事業:家具・生活雑貨の企画・製造・販売(ニトリ、島忠など)
- 物流事業:大型家具などの物流・配送・設置(ホームロジスティクス)
- IT・システム開発事業:グループ全体の業務を支えるITシステムの開発・運用(ニトリデジタルベース)
- 広告・販促事業:広告制作や販売促進、地域活性などを担う(ニトリパブリック)
- 縫製・加工事業:カーテン等の縫製、輸出入、商品加工(ホーム・デコ)
- 海外事業:アジアを中心に海外店舗の展開、生産拠点や人材育成機関の運営
- その他事業:店舗開発、コンサルティング、不動産管理など多角的に展開
企業理念とビジョン
「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する。」をロマン(志)に掲げ、日常の暮らしをより良くするための挑戦を続けています。業界慣行や過去の成功体験にとらわれず、常に現状を見直し、お客様の視点で“豊かさ”を追求。すべてのステークホルダーにとって「お、ねだん以上。」であり続けるため、改革と進化を重ねています。
法定雇用率とは?

法定雇用率の定義
法定雇用率とは、企業や自治体などの事業主が雇用しなければならない障害者の割合を法律で定めたものです。これは「障害者雇用促進法」に基づき、障害のある方の安定した雇用機会を確保するために設定されています。
民間企業の場合、現在の法定雇用率は2.5%で、2026年7月には2.7%に引き上げられる予定です。

対象企業と義務内容
法定雇用率は、原則として従業員43.5人以上の企業に適用されます。対象企業は、この割合に相当する人数以上の障害者を雇用する義務があります。
もし未達成の場合は、企業名の公表や行政からの指導、そして1人不足につき月額5万円の納付金(障害者雇用納付金制度)が発生します。逆に、基準を上回って雇用している企業は調整金や報奨金を受け取れる場合もあります。
雇用率の計算方法
法定雇用率の計算は、以下の式で求めます。
障害者雇用率(%)=
(雇用している障害者数 ÷ 常用労働者数)×100
※「常用労働者数」には、正社員だけでなく週所定労働時間20時間以上のパート・契約社員も含まれます。また、重度障害者は1人を2人分としてカウントする特例もあります。

ニトリホールディングスの障害者雇用の取り組み
採用方針と職種
株式会社ニトリホールディングスでは、「誰もが自分らしく働ける職場づくり」を企業方針に掲げ、障害者の採用を積極的に行っています。
採用は本社方針のもとで推進されつつ、実際の採用判断は店舗単位で行われており、面接では「一緒に働くことができるか」「どんな特性や強みがあるか」を丁寧に確認したうえで、個々に合った雇用を行っています。障害の種類にかかわらず幅広い応募を受け入れており、特別支援学校の卒業生の採用や、支援機関との連携による就労支援も取り組んでいます。
職場環境・配慮内容
障害のあるスタッフは全国の店舗や本社に約330名在籍しており、多くの店舗では1~2名が自然な形でチームの一員として働いています。
主な担当業務は、店舗内の清掃、商品補充、バックヤードでの作業などで、接客が苦手な方には直接の顧客対応を避けるなど、個々の特性に応じた職務設計がなされています。また、業務中に困ったことがあればすぐに周囲に助けを求められるよう、店舗内ではインカムを活用したサポート体制が整えられており、障害のあるスタッフも安心して業務に取り組むことができます。
社内研修やサポート体制
採用面接時から支援機関と連携し、障害特性や配慮事項を事前に把握したうえで、職場配置や業務内容を丁寧に調整する体制が整えられています。また、障害の有無にかかわらず、すべての従業員が「大切な仲間」として尊重される職場文化が根付いており、多様な背景を持つスタッフが互いに支え合いながら働ける環境づくりが進められています。
ニトリホールディングスには特例子会社はあるの?
ニトリホールディングスには、特例子会社は設けられていません。障害のある方も、他の従業員と同様に、各事業所や店舗において共に働く形で雇用されています。
ニトリホールディングスは法定雇用率を達成している?

従業員数と必要雇用数
ニトリホールディングスでは、2023年度時点での総従業員数は38,540名と公表されており、2023年度のサステナビリティデータによると、グループ全体(株式会社ニトリホールディングス、ニトリ、ホームロジスティクス、島忠などを含む)の障害者雇用率は2.95%。これは、民間企業に課されている法定雇用率2.5%(2024年度時点)を上回る水準です。
計算式: 従業員数 × 法定雇用率 = 必要雇用人数
38,540名 × 2.5%=963.5名(≒963名)したがって、少なくとも963名以上の障害者を雇用する必要があります。2023年時点のニトリホールディングスの障害者雇用率は2.95%なので、38,540名 × 2.95%=1,137.9名(≒1,1387名)で法定雇用率を達成しています。
さらに2026年には法定雇用率が2.7%に引き上げられる予定であり、その場合の必要人数は以下の通りです。
38,540名 × 2.7% = 1,040.6名(≒1,040名) 今後は1,040名以上が必要となります。
従業員数 | 障害者雇用数 | 雇用率 |
38,540名 | 964人(目標) | 2.5% |
1,137.9人(実績) | 2.95% |
『流通業界』各社の法定雇用率について
「流通業界の各社は法定雇用率を達成しているのか?」会社ごとにまとめていますので是非ご覧ください。