「ヤマダホールディングスは法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
ヤマダホールディングス株式会社とは?

会社概要
会社名 | ヤマダホールディングス株式会社 |
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所在地 | 群馬県高崎市栄町1番1号 |
設立 | 1978年6月1日(ヤマダ電機として創業) |
資本金 | 711億円 |
従業員数 | 連結25,676人 |
上場市場 | プライム市場(9831) |
代表者 | 山田 昇 |
公式サイト | https://www.yamada-holdings.jp/ |
主な事業内容
ヤマダホールディングスは、家電量販事業を中心に、住宅、不動産、家具・インテリア、金融、リフォームなど幅広い事業を展開しています。主力の「ヤマダデンキ」は全国に900店舗以上を展開しており、家電量販業界で国内最大級の規模を誇ります。
加えて、ヤマダホームズ、大塚家具、ハウステックなど住宅・インテリア関連企業を傘下に持ち、暮らし全体をサポートする「住まいと暮らしの総合グループ」として事業を拡大しています。
グループの規模と特徴
グループ連結従業員数は約25,000人、売上高は約1兆6,000億円(2024年3月期)に達しており、日本の小売業界でも有数の規模を誇ります。
全国に広がる販売ネットワークに加え、住宅・不動産事業を通じてライフスタイル全体を支える総合力を持つ点が特徴です。また、地方都市や郊外を中心に大型店舗を構えることで、地域に密着したサービス展開を行っています。
グループ会社
会社名 | 事業内容 | 公式サイト |
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株式会社ヤマダデンキ | 家電量販店(全国展開) | https://www.yamada-denki.jp/ |
ヤマダホームズ株式会社 | 住宅建築・不動産・リフォーム | https://yamadahomes.jp/ |
株式会社大塚家具 | 家具・インテリア販売 | https://www.idc-otsuka.jp/ |
ハウステック株式会社 | 住宅設備機器(キッチン・バス・洗面台) | https://www.housetec.co.jp/ |
株式会社ベスト電器 | 家電量販(九州を中心に展開) | https://www.bestdenki.ne.jp/ |
株式会社キムラヤ | 家電販売(中国・四国エリア) | https://www.kimuraya.co.jp/ |
株式会社ツクモ | パソコン・PCパーツ専門店 | https://www.tsukumo.co.jp/ |
株式会社ヤマダファイナンスサービス | 金融・カード・保険事業 | https://www.yamada-financial.com/ |
ヤマダホールディングスは「家電」を中核としながらも、住宅・家具・インテリア・金融まで幅広い事業を展開しているのが大きな特徴です。グループ会社を通じて、住まいと暮らしに関わるほぼすべての領域をカバーする体制を築いています。
ヤマダホールディングスと障害者雇用
障害者雇用に関する基本方針
ヤマダホールディングスは、「住まいと暮らしの総合グループ」として社会的責任を果たすべく、障害者雇用の拡大を重要な取り組みと位置づけています。
多様な人材が活躍できる環境づくりを推進し、店舗・物流センター・本社部門など幅広い分野で障害のある方の雇用を進めています。
ヤマダホールディングスには特例子会社はあるの?
2025年時点で、ヤマダホールディングスに特例子会社として認定されている企業は確認できません。そのため、障害者雇用はグループ各社(ヤマダデンキ、ヤマダホームズ、大塚家具など)の現場で直接推進されている形です。
家電量販大手の中には特例子会社を設立している事例も見られるため、ヤマダホールディングスでも今後の体制整備や特例子会社設立が期待されます。
具体的な雇用の取り組み事例
店舗では商品の品出し・陳列・清掃・接客補助などを中心に、障害のある社員が活躍しています。物流拠点では商品の仕分け・検品・梱包といった業務、本社では資料整理やデータ入力などの事務作業が担われています。
また、地域のハローワークや就労支援機関と連携し、採用から職場定着まで一貫してサポートする体制を整えています。これにより、安心して長期的に働き続けられる職場環境づくりが進められています。
法定雇用率とは?
法定雇用率の定義と仕組み
法定雇用率とは、企業や行政機関が雇用する従業員に対して、一定割合以上の障害者を雇用することを法律で義務づけた制度です。
障害者雇用促進法に基づき、「障害のある方の雇用機会の確保と社会参加」を目的として設けられています。1986年に本格導入されて以降、社会状況に合わせて段階的に引き上げられてきました。
対象企業と義務内容
民間企業では、常用労働者が43.5人以上いる場合に法定雇用率が適用されます。
基準を満たさない場合は「障害者雇用納付金」(不足人数1人あたり月額5万円)の支払い義務があり、達成している企業には助成金や奨励金が支給されます。未達成が長期にわたる場合は、行政指導や企業名の公表対象となることもあります。
計算方法と対象労働者
必要な障害者の雇用人数は、常用労働者数 × 法定雇用率で算出されます。例えば、ヤマダホールディングスの従業員数を約25,000人とした場合、必要な人数は以下の通りです。
- 2024年4月以降の法定雇用率2.5% → 625人以上
- 2026年7月以降の法定雇用率2.7% → 675人以上
雇用率算定には次のようなルールがあります。
- 週30時間以上勤務 → 1人としてカウント
- 週20時間以上30時間未満勤務 → 0.5人としてカウント
- 重度身体障害者・重度知的障害者(短時間勤務でも) → 1人としてカウント
- 2018年以降は精神障害者も算入対象に追加
- 在宅勤務(テレワーク)も一定条件を満たせば算入可能
法定雇用率の推移
施行時期 | 民間企業の法定雇用率 |
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2018年4月~ | 2.2% |
2021年3月~ | 2.3% |
2024年4月~ | 2.5% |
2026年7月~ | 2.7%(予定) |
このように法定雇用率は段階的に引き上げられており、大規模企業であるヤマダホールディングスにも、より多くの障害者雇用が求められています。
ヤマダホールディングスは法定雇用率をクリアしているのか?

直近の障害者雇用率
ヤマダホールディングスのESGデータによると、障がい者雇用率は2023年に2.3%、2024年に2.4%でした。これは従業員全体の数に対して算出された数値で、非正社員も含んでいます。
法定雇用率達成状況
民間企業の法定雇用率は2024年4月から2.5%となっています。ヤマダホールディングスの最新数値2.4%は、この基準にわずかに届いていません。
従業員数を25,000人規模と仮定すると、必要な障害者雇用人数は625人以上ですが、現状では不足していることになります。
ただし、公表されていないだけで達成している可能性もありますし、それに近しい動きをしている可能性もありますので今後情報が入り次第更新していきます。
今後の課題と展望
2026年7月には法定雇用率が2.7%に引き上げられ、25,000人規模の企業では675人以上の雇用が必要となります。今後は、店舗・物流センター・本社での職域拡大や、特例子会社の設立・障害者雇用体制の強化などが大きな課題となります。
『流通業界』各社の法定雇用率について
「流通業界の各社は法定雇用率を達成しているのか?」会社ごとにまとめていますので是非ご覧ください。