株式会社Kaienとは?

株式会社Kaien(カイエン)は、「発達障害の強みを活かす社会へ」という理念のもと、発達障害のある方の就労や教育をサポートする支援会社です。2009年に設立され、現在では全国に30拠点以上を展開。2025年4月時点での従業員数は445人(うち常勤237人)と、福祉業界の中でも比較的規模の大きい企業です。
カイエンの最大の特徴は、「障害があっても、強みを活かして働ける社会」を本気で実現しようとしている点にあります。就労移行支援や子ども向けの教育支援、企業への研修や職場定着支援など、多角的なサービスを展開しており、利用者本人だけでなく企業や学校など社会全体を巻き込んだ取り組みを行っています。
また、支援にあたるスタッフの多くが、臨床心理士やキャリアコンサルタントなどの専門資格を持っており、一人ひとりの特性に合わせたきめ細かなサポートを提供している点も高く評価されています。
Kaienの会社概要
会社名 | 株式会社Kaien(カイエン) |
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設立年 | 2009年3月 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿6-2-3 新宿アイランドアネックス2階 |
代表者 | 代表取締役 鈴木 慶太 |
従業員数 | 445人(うち常勤237人)※2025年4月現在 |
事業内容 | 発達障害のある方の就労支援・教育支援・企業向けコンサルティングなど |
上場 | 非上場 |
主な対応地域 | 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・愛知県・大阪府 |
Kaienの理念・ビジョン
Kaienは「発達障害の強みを活かす社会へ」という理念を掲げ、発達障害のある方が社会に貢献し活躍できる環境を整えることを使命としています。
また、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)やSDGsの観点からも社会課題の解決に積極的に取り組み、企業・自治体・教育機関と連携しながら、共生社会の実現に向けた仕組みづくりを推進しています。
Kaienの主な事業内容
発達障害に特化した就労支援
株式会社Kaienは、発達障害のある方の「働きたい」を支えるために、さまざまな就労支援サービスを提供しています。特に注目されているのが、就労移行支援事業とジュニア事業の2本柱です。
就労移行支援では、18歳以上の方を対象に、仕事に必要なスキルやビジネスマナー、対人コミュニケーションなどを身につけるトレーニングを実施。さらに、実際の企業への就職活動や面接練習、入社後の職場定着まで一貫してサポートしています。
またジュニア事業では、小学生から高校生までの発達が気になるお子さんに対して、学習支援やソーシャルスキルトレーニング(SST)を提供。学校生活や将来の自立に向けた基盤づくりを支援しています。教育と就労をつなぐ中長期的な視点で、家族と一緒に将来設計を描いていくのが特徴です。
企業向けのコンサルティングや研修も
Kaienのもうひとつの強みは、障害者雇用に取り組む企業を支援するサービスです。企業が発達障害のある方を雇用する際の不安や課題を解消するため、専門的な視点からアドバイスや研修を提供しています。
具体的には、企業と求職者のマッチング支援や、法定雇用率の達成に向けた外部コンサルティング、職場環境の整備・定着支援など、企業が安心して障害者雇用を進められるよう多方面からサポートしています。
こうした取り組みにより、Kaienは就労支援と企業支援の両方の側面から、発達障害のある方が社会で活躍できる仕組みづくりを進めています。
法定雇用率とは?
制度の概要
法定雇用率とは、企業が一定の割合で障害者を雇用することを義務付けた制度のことです。障害者の安定した雇用機会を確保するために、障害者雇用促進法によって定められています。
2024年4月時点では、民間企業の法定雇用率は2.5%に設定されています。これは、常時雇用している労働者が43.5人以上の企業に対して、従業員の2.5%以上を障害者として雇用しなければならないという基準です。
また、雇用数のカウントには特例があります。重度身体障害者や重度知的障害者は1人を2人分としてカウントする「ダブルカウント制度」や、週20時間未満の短時間勤務では算定対象外になるなど、条件によって計算方法が異なる点も重要です。
未達成企業にかかるリスク
法定雇用率を満たせていない企業には、さまざまなリスクが課される可能性があります。代表的なものは以下の通りです。
- 納付金制度:常用労働者100人超の企業で未達成の場合、1人不足ごとに月額5万円の納付金が発生
- 企業名の公表:厚生労働省によって「未達成企業」として社名が公表されるケースも
- 行政指導:是正勧告や報告命令など、行政からの指導対象となることがある
特に上場企業やブランドイメージを重視する企業にとっては、法定雇用率の未達成が社会的信用の低下につながるリスクもあります。そのため、障害者雇用への取り組みは企業の社会的責任(CSR)やESG経営の一環としても注目されています。
Kaienは法定雇用率を計算してみた
Kaienの障害者雇用状況
現在、株式会社Kaienの従業員数は445人(うち常勤237人)とされています(2025年7月時点)。この規模の企業の場合、法定雇用率から必要な障害者雇用人数はどの程度になるのでしょうか。
2024年4月から、民間企業の法定雇用率は2.5%となっています。そのため、従業員数445人(うち常勤237人)の企業の場合、
445名 × 2.5% = 11.125名
つまり、株式会社Kaienでは法定雇用率を達成するために11名以上の障害者雇用が必要という計算になります。ただ、445名のうち常勤は237名と記載されているため、非常勤の方の週の勤務時間数によって障害者雇用数は変わってきます。(今回は445名が全員対象になった場合で計算しています。)
従業員数 | 障害者雇用数 | 雇用率 |
445人 | 11.125人(目標) | 2.5% |
-人(実績) | -% |
特例子会社ではないが、積極的に採用
Kaienは、障害者雇用のための「特例子会社」ではなく、通常の株式会社として事業を展開しています。それにもかかわらず、障害者支援に関わる専門家だけでなく、発達障害の当事者がスタッフとして働く機会を多く設けている点が大きな特徴です。
つまり、障害者を支援するだけでなく、自らがそのロールモデルとなるような職場づくりを実践しているのがKaienの強みと言えるでしょう。
今後、法定雇用率の達成状況などが公式に開示されれば、より詳しい実績も明らかになるかもしれませんが、現時点でも「支援者=当事者」という構造は他企業の参考になる事例です。
株式会社Kaienは法定雇用率を達成しているのか?

株式会社Kaienは、障害者支援を専門とする企業であると同時に、自社でも障害のある方を積極的に雇用していると考えられます。2025年4月時点での従業員数は445人(うち常勤237人)と公表されていますが、公式サイト上では障害者雇用者数の具体的な人数までは記載されていません。
しかし、就労移行支援やジュニア支援など多くの現場において「当事者スタッフ」が活躍していることが公式ブログ等でも紹介されており、一定数の障害のある職員が在籍していることは明らかです。また、求人情報の中でも「発達障害当事者の方の応募歓迎」と明記されている職種があることからも、自社での障害者雇用に前向きな採用をしていると考えられます。
正確な雇用率の数値までは公開されていないものの、福祉系の企業として、法定雇用率(2.5%)を達成している、またはそれに近い状況である可能性は高いと推察されます。