「エルケアは法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
エルケア株式会社の概要

会社概要と基本情報
エルケア株式会社は、介護・福祉分野を中心に事業を展開する企業で、訪問介護やデイサービス、居宅介護支援など、地域密着型のサービスを提供しています。
本社は大阪市北区にあり、関西をはじめ全国各地で事業所を展開。現場で活躍するスタッフは介護福祉士や看護師、ケアマネージャーなど多職種にわたり、高齢者や障がいのある方々の生活をサポートしています。
会社名 | エルケア株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル25階 |
設立 | 2007年 |
従業員数 | 1,600名以上 |
主な事業内容 | 1.訪問介護サービス 2.居宅介護支援サービス(ケアプラン) 3.訪問入浴サービス 4.訪問看護サービス 5.訪問歯科サポートサービス 6.デイサービス 7.小規模多機能型/居宅介護サービス 8.障がい福祉サービス 9.特定相談支援サービス 10.障がい者グループホーム 11.就労継続支援B型事業 12.生活支援サービス 13.高齢者グループホーム 14.有料老人ホーム |
上場 | 非上場 |
HP | https://www.l-care.jp/ |
親会社ロングライフホールディングスについて
エルケア株式会社は、東証スタンダード市場に上場している「ロングライフホールディングス株式会社」のグループ企業の一つです。ロングライフホールディングスは、介護を中心にリゾート運営や教育事業なども展開しており、「生涯活躍できる社会の実現」を企業理念に掲げています。
エルケアは同グループの中で、介護サービスの現場を支える中核的な役割を担っており、グループ全体の経営理念に基づいた質の高いサービス提供が評価されています。
エルケアの事業内容と特徴
エルケアの特徴は、「在宅生活を支えるサービス」が充実していることです。訪問介護や訪問入浴といった直接利用者の自宅を訪れるサービスに加え、福祉用具の貸与や住宅改修の相談まで一貫して対応できる体制が整っています。
また、地域に密着した支援を行っており、地域包括ケアの重要な担い手となっています。高齢者はもちろん、障がいのある方やそのご家族からも信頼される存在として、着実に実績を積み重ねてきた企業です。
法定雇用率とは?
法定雇用率の定義
法定雇用率とは、企業や官公庁などが一定割合以上の障害者を雇うことを義務づけた制度です。この制度は、障害のある方が働く機会を確保し、社会参加を広げることを目的としています。
たとえば、民間企業の場合は、全従業員のうち2.5%以上を障害者にすることが法律で求められています。法定雇用率は定期的に見直され、2026年には2.7%へ引き上げられる予定です。

企業に求められる義務
従業員数が43.5人以上の企業には、法定雇用率を守る義務があります。対象になるのは正社員だけでなく、一定の条件を満たしたパートタイム労働者も含まれます。
もし法定雇用率を下回っている場合、企業は「障害者雇用状況報告」の提出が義務付けられ、納付金(ペナルティ)の支払い対象になることもあります。
一方で、率先して障害者雇用に取り組む企業には、助成金などの支援制度も設けられており、企業の努力を後押しする仕組みも整っています。
雇用率の計算方法と対象者
法定雇用率の計算は以下のように行われます。
【計算式】障害者の雇用数 ÷ 全従業員数(※一定の条件で換算) × 100
対象となる障害者には、身体障害・知的障害・精神障害のある方が含まれ、企業が「障害者手帳の有無」などを確認しながらカウントします。
また、重度障害者や短時間勤務者については、計算上「0.5人」や「2人分」として換算されるなど、特別なルールもあります。つまり、単に人数を満たせばよいのではなく、「正しく対象者を把握し、継続的に雇用していくこと」がとても大切なのです。

グループ会社の場合、法定雇用率はどう計算される?
法定雇用率は、原則として1つの会社(法人)ごとに計算されます。つまり、グループ企業であっても、通常は「親会社」と「子会社」はそれぞれ個別に雇用率の達成状況を判断されるのが基本です。
例外でグループ全体でまとめて計算できる制度もある
ただし、一定の条件を満たせば、グループ会社全体で法定雇用率を合算して管理できる「特定法人制度(申出制度)」があります。
- 親会社と子会社など、資本関係がある(グループ企業である)
- グループ内で人事・給与などの雇用管理が一体化している
- ハローワークに正式な申出をして承認されている
上記が該当する場合はグループ会社で全体の法定雇用率を計算している可能性があります。
制度を使うとどうなる?
この申出制度を使えば、グループの中で障害者雇用の数を合算できるようになります。たとえば、親会社が法定雇用率を超えていて、子会社が少し足りなくても、グループ全体で達成していればOKと判断されるのです。
この制度は、グループ内で障害者が働きやすい職場に集中して雇用を進めることができるため、現場の状況にあわせた柔軟な運用が可能になります。
エルケア株式会社の場合はどうなる?
エルケア株式会社は、ロングライフホールディングス株式会社のグループ企業です。そのため、この制度を活用してロングライフグループ全体で雇用率管理を行っている可能性もあります。
ただし、この申出制度を使っているかどうかは企業から公表されない限りわかりません。したがって、明確な情報がない場合は、「エルケア単体で法定雇用率を達成しているかどうか」が注目ポイントとなります。
エルケア株式会社の障害者雇用の取り組み
障害者の採用実績(推定・公開情報)
エルケア株式会社では、公式サイトやIR情報において障害者雇用数や法定雇用率に関する明確な数値は公表されていません(2025年8月時点)。しかし、全国に展開する事業所の規模や従業員数(1,600名以上と推定)をふまえると、法定雇用率の対象企業であることは間違いありません。
介護・福祉業界では、身体に配慮が必要な方や、対人コミュニケーションが得意な方など、多様な障害者が活躍できる可能性があります。そのため、エルケアでも現場の支援スタッフや事務職、送迎業務などを通じて障害者雇用に取り組んでいると考えられます。
職場環境や配慮の工夫
エルケアでは、「その人らしい生活」を支えるという企業理念のもと、利用者だけでなくスタッフにも配慮された環境づくりが進められています。働くスタッフが安心して業務に取り組めるよう、職場では以下のような工夫がなされていると推察されます。
- チーム制によるフォロー体制
- 資格取得支援制度の充実
- 定期的な面談・相談体制
- 短時間勤務や職種の柔軟な選択肢
これらの取り組みは、障害のある方が長く安定して働きやすい環境を整えるうえでも効果的です。
研修・サポート体制
エルケアでは、未経験から介護の仕事を始める方に向けた研修制度やOJTが整っており、障害のある方にとっても安心してスキルを身につけられる環境があると考えられます。
また、グループ会社であるロングライフホールディングス全体で「人材育成」に力を入れている点も見逃せません。職場内での声かけやマニュアル整備など、障害者の方でも働きやすい職場づくりが進められている可能性が高いといえるでしょう。
エルケアの法定雇用率は達成している?

従業員数と必要雇用数
現在、民間企業の法定雇用率は2.5%です(2024年4月〜)。この基準をもとにすると、必要な障害者雇用数は以下のように計算され、エルケア株式会社の障害者雇用数は下記になります。
1600名 × 2.5% = 40名
つまり、エルケア株式会社が法定雇用率を達成するためには、少なくとも40名以上の障害のある方を雇用している必要があるということになります。
従業員数 | 障害者雇用数 | 雇用率 |
1600人 | 40人(目標) | 2.5% |
-人(実績) | -% |
公開データに基づく雇用率の見通し
2025年8月時点で、エルケア株式会社は自社の法定雇用率や障害者雇用者数を公式に公表していません。そのため、達成しているかどうかを正確に判断することは難しいのが現状です。
ただし、介護・福祉の現場では、身体・精神・知的障害のある方が事務職や補助業務、送迎などの業務で活躍するケースも多く、エルケアでも一定数の雇用が進んでいる可能性は高いと考えられます。
また、グループとして人材育成や多様な働き方の支援に注力していることもあり、法定雇用率を意識した体制づくりが進められている可能性は高いといえるでしょう。
ロングライフHD全体での取り組み
エルケア株式会社は、東証スタンダードに上場しているロングライフホールディングス株式会社のグループ企業です。ロングライフグループは、介護・リゾート・教育など幅広い事業を展開しており、「人を大切にする」企業文化が根づいています。
障害のある方への雇用支援や配慮は、グループ全体でも重要なテーマとなっており、多様性を尊重した職場環境の整備が進められています。
また、先に紹介したように、特定法人制度(申出制度)を活用すれば、ロングライフHD全体での雇用率合算が可能です。この制度を利用しているかどうかは公表されていませんが、グループ全体として法定雇用率を達成している可能性は十分に考えられます。
他社の法定雇用率について(福祉業界)
「福祉業界の各社は法定雇用率を達成しているのか?」会社ごとにまとめていますので是非ご覧ください。