「ミライロは法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
株式会社ミライロとは?

株式会社ミライロは、「バリアバリュー(障害を価値に変える)」という独自の理念を掲げ、ユニバーサルデザインの普及を通じて社会課題の解決に取り組む企業です。社員の多くが障害当事者であり、「当事者視点」を強みに、誰もが暮らしやすい社会を実現するサービスや制度づくりを行っています。
会社概要
会社名 | 株式会社ミライロ |
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設立 | 2010年6月 |
代表者 | 垣内 俊哉(かきうち としや)氏 |
本社所在地 | 大阪市淀川区西中島三丁目8番15号 EPO SHINOSAKA BUILDING8F |
事業内容 | ユニバーサルデザインに関する企画・教育・コンサルティング、アプリ開発(ミライロID)など |
拠点 | 大阪本社、東京支社 |
従業員数 | 約54名(2024年12月時点)※障害当事者比率が高いと公表されている |
上場 | グロース市場( 335A) |
会社HP | https://www.mirairo.co.jp/ |
障害当事者が中心の組織
代表取締役の垣内俊哉氏自身も車いすユーザーであり、社内には視覚・聴覚・肢体など多様な障害を持つスタッフが在籍しています。日常的な経験や困りごとをベースにした提案・設計は、多くの企業や自治体から高く評価されています。
ミライロIDの開発と普及
ミライロが開発した「ミライロID」は、障害者手帳をスマートフォンで提示できるアプリです。全国の商業施設や公共交通機関などでの割引サービスに対応し、障害のある方の利便性向上に貢献しています。(ミライロIDの詳細はコチラ)
「バリアバリュー」の理念
ミライロが掲げる「バリアバリュー」は、「障害を価値に変える」という独自の考え方です。障害による不便や困難を乗り越えることで得られた経験や視点は、社会全体にとっての新しい価値(バリュー)になるという理念に基づき、サービスを展開しています。
主な取り組み事例
- ミライロID:障害者手帳の情報をスマホに表示できるアプリ。商業施設や交通機関などでのバリアフリー割引に対応。
- ユニバーサルデザイン監修:施設や公共空間の設計支援、案内表示などの改善提案。
- 研修・講演:自治体・企業向けの障害理解やバリアフリー対応の教育。
法定雇用率とは?
障害者雇用促進法における定義
法定雇用率とは、企業や自治体などが一定の割合で障害者を雇用しなければならないと定められた基準のことです。この制度は「障害者雇用促進法」に基づいており、すべての事業主に対して障害のある方の雇用機会を確保する責任があるという前提で設計されています。
制度の背景には、障害のある人が働く機会を得にくいという社会的な課題があります。そこで、法律によって一定の雇用割合を義務づけることで、障害者の社会参加を後押ししようというのが目的です。
2024年4月時点では、民間企業の法定雇用率は2.5%とされています。たとえば、従業員が200人いる企業であれば、障害者5名以上の雇用が必要という計算になります。
民間企業の対象・カウント方法
法定雇用率の対象となるのは、従業員数が常時43.5人以上の企業です(※小数点以下の企業には段階的な対応義務があります)。対象となる「従業員数」には、正社員だけでなく契約社員やパートタイム労働者も含まれます。
ただし、パートや短時間労働者などについては、雇用形態に応じて「0.5人」などの換算方法が用いられます。そのため、単純に「人数」で計算するのではなく、労働時間や契約内容に応じて調整が必要です。
また、対象となる障害者は、身体障害者・知的障害者・精神障害者の3区分です。精神障害者も2018年から法定雇用率の算定対象に含まれています。
ミライロの法定雇用率は達成している?
障害者雇用の実態
株式会社ミライロは、社員の多くが障害当事者であることを公式に公表しています。代表取締役の垣内俊哉氏自身も車いすユーザーであり、企業全体として「障害のある人が働きやすい環境づくり」に強くこだわっているのが特徴です。実際に、社内では以下のような工夫がなされています。
- バリアフリーなオフィス設計(段差解消・多目的トイレ完備など)
- 柔軟な勤務形態(リモートワーク・短時間勤務制度)
- 合理的配慮の個別対応(用具支援・通勤補助など)
- 障害に配慮した業務設計とチームビルディング
こうした取り組みによって、障害のある方が力を発揮できる職場環境が整えられており、障害者雇用に関する社内文化も非常に成熟しています。
雇用率に関する公開情報
2025年に東京証券取引所グロース市場へ上場したことで、今後は有価証券報告書などに障害者雇用の実績が開示される可能性がありますが、現時点(2025年7月)では具体的な法定雇用率の数値は公式に公開されていません。
しかし、ミライロの採用ページや企業理念において、「障害当事者による価値創造」を強調していることから、実際の障害者雇用率は法定基準を大きく上回っていると推測されます。
参考までに、法定雇用率(2024年時点)は2.5%ですが、ミライロの従業員構成やインタビュー記事などをもとに考えると、実質的に10%を超える水準で障害者雇用が行われている可能性もあります。
法定雇用率の「達成」を超えて、「ロールモデルとなる存在」として社会的にも注目されています。
ミライロの取り組みは他社の参考になる?
障害当事者が中心の組織文化
ミライロは、障害当事者が多数在籍し、企画・開発・運営すべてにおいて「当事者目線」を活かしている稀有な企業です。このような組織構造は、サービスの質だけでなく、社内の多様性理解や柔軟な働き方の実現にもつながっています。
例えば、バリアフリーに関する企画を行う際には、実際に障害のある社員の体験や意見が反映されており、ユーザーに寄り添ったサービス設計が可能になっています。
また、社内の制度設計も「インクルーシブ(包括的)」な体制となっており、以下のような特徴が見られます。
- 身体・知的・精神など多様な障害に対応した就労環境
- 一人ひとりのニーズに合わせた合理的配慮の提供
- 障害の有無を問わず協働できるチームづくり
こうした取り組みは、法定雇用率を「義務」として捉えるのではなく、「企業文化の一部」として自然に取り入れている点で、他社にとっても非常に参考になる事例と言えるでしょう。
他企業へのユニバーサルデザイン支援
ミライロは自社の取り組みだけでなく、他企業や自治体に対するユニバーサルデザインの支援も積極的に行っています。その支援内容は多岐にわたり、具体的には以下のようなサービスがあります。
- 研修:障害理解、接遇、合理的配慮などをテーマにした講座を企業・自治体向けに提供
- 監修:駅・施設・公共空間のバリアフリー設計や案内表示の改善アドバイス
- サービス開発支援:アクセシビリティ対応商品の企画・実装サポート
これらの支援を通じて、企業が法定雇用率を達成するだけでなく、より働きやすい職場環境づくりを実現するためのサポートも行っています。
ミライロは、「障害者雇用=人事の課題」にとどまらず、「経営戦略」「商品開発」「社会貢献」といった多角的な視点から、企業価値の向上を支援できるパートナーとなり得る存在です。
株式会社ミライロの法定雇用率はクリアしてる?

現在、株式会社ミライロの従業員数は約54名とされています(2025年7月時点)。この規模の企業の場合、法定雇用率から必要な障害者雇用人数はどの程度になるのでしょうか。
2024年4月から、民間企業の法定雇用率は2.5%となっています。そのため、従業員数54名の企業の場合、
54名 × 2.5% =1.35名
つまり、株式会社ミライロでは法定雇用率を達成するために1名以上の障害者雇用が必要という計算になります。
実際に、「障害者比率が高い」と公表されているために確実に法定雇用率はクリアしていると考えて間違いありません。
ミライロは非公開ではあるが確実に法定雇用率を達成している
従業員数 | 障害者雇用数 | 雇用率 |
54人 | 1人(目標) | 2.5% |
-(実績) | -% |
ミライロの会社紹介資料の中に「障害がある?ない?」という項目があり、%は出ていないものの10%以上は「ある」と回答しているために54名の社員の10%以上なので5名~8名ぐらいの障害者雇用数があると考えられます。
2025年3月にグロース市場に抒情していますし、ミライロIDは障害者手帳の電子版アプリと言われ登録者数が50万人を突破と今後もますます注目されるであろう企業といえます。