「三越伊勢丹ホールディングスは法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
株式会社三越伊勢丹ホールディングスとは?

会社概要
会社名 | 株式会社三越伊勢丹ホールディングス |
---|---|
所在地 | 新宿区西新宿3-2-5 三越伊勢丹西新宿ビル |
設立年 | 2008年(平成20年)4月1日 |
資本金 | 515億円 |
代表者 | 取締役 代表執行役社長 CEO 細谷 敏幸 |
従業員数 | 約15,900名(連結) |
上場市場 | プライム市場(3099) |
公式サイト | https://www.imhds.co.jp/corporate/index.html |
主な事業内容
越伊勢丹ホールディングスは、百貨店事業を核に、外商、EC(オンラインストア)、不動産、金融サービスなど多様な事業を展開しています。中核を担うのは「株式会社三越伊勢丹」で、首都圏を中心に全国に百貨店を運営しています。
グループ企業の特徴
社名 | 特徴 |
---|---|
三越(日本橋本店) | 百貨店事業の中核。国内に10店舗を展開。 |
伊勢丹(新宿本店) | 国内に6店舗を。展開 |
株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポート | 特例子会社。事務・総務サポートを担い、障害者雇用を推進 |
株式会社 エムアイカード | クレジットカード業、貸金業、損害保険代理業、生命保険募集代理店 |
株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザイン | 環境創造事業を中心とした事業会社 |
グループ各社はそれぞれの専門性を活かしながら、百貨店事業を基盤に幅広い事業領域を展開しています。中でも「三越伊勢丹ビジネス・サポート」は、障害者雇用を目的に設立された特例子会社であり、グループの多様性推進の象徴ともいえる存在です。
百貨店業界における位置づけ
三越伊勢丹は、日本を代表する百貨店グループとして業界トップクラスの規模を誇ります。高級ブランドから日常生活に寄り添う商品まで幅広く扱い、訪日観光客にも人気が高い点が特徴です。
近年はDX(デジタル変革)やサステナビリティ経営を推進し、百貨店業界のリーダー的存在となっています。
三越伊勢丹ホールディングスと障害者雇用
障害者雇用に関する基本方針
三越伊勢丹ホールディングスは、多様性を尊重し、障害のある方が安心して働ける環境づくりを推進しています。
百貨店という多様な業務フィールドを活かし、バックヤード業務から接客補助まで幅広い職域を確保し、長期的な雇用継続を目指しています。
三越伊勢丹には特例子会社はあるの?

はい。グループには「株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポート」という特例子会社があります。
同社は2004年に設立され、事務業務・庶務業務・バックオフィス支援を担っています。障害者が自分の特性を活かして働ける環境を整備し、グループ全体の障害者雇用を支える存在です。
具体的な雇用の取り組み事例
- 館内清掃や郵便仕分け、事務補助などのバックオフィス業務
- パソコン入力や資料作成など、事務系の定型業務
- 社員向けサービス(備品管理、社内便仕分けなど)
- 外部支援機関やジョブコーチと連携し、定着支援を実施
こうした取り組みを通じて、障害のある社員が安心して働ける環境をつくり、グループ全体での法定雇用率達成につなげています。
法定雇用率とは?

法定雇用率の定義と仕組み
法定雇用率とは、企業や官公庁などに義務付けられている「障害者を雇用しなければならない割合」を指します。障害者雇用促進法に基づき、常用労働者数に対して一定割合以上の障害者を雇うことが求められています。
対象企業と義務内容
従業員数が43.5人以上の企業には、障害者雇用の義務が発生します。達成できない企業は「障害者雇用納付金制度」に基づき納付金を支払う必要があります。一方、基準を上回って雇用した企業は調整金・報奨金を受け取れる仕組みもあります。

計算方法と対象労働者
計算方法は「従業員数 × 法定雇用率」で算出されます。対象労働者には正社員だけでなく、一定の条件を満たした契約社員やパートタイマーも含まれます。ただし、短時間労働者は0.5人としてカウントされるなどのルールがあります。

法定雇用率の推移
施行時期 | 民間企業の法定雇用率 |
---|---|
2021年3月~ | 2.3% |
2024年4月~ | 2.5% |
2026年7月~ | 2.7%(予定) |
今後も段階的に引き上げが予定されており、企業はより一層の障害者雇用を進める必要があります。

三越伊勢丹ホールディングスは法定雇用率をクリアしているのか?

直近の障害者雇用率
三越伊勢丹ホールディングスは、グループ全体の障害者雇用率を毎年公表しています。直近5年間の推移は以下の通りです。(詳細はコチラ)
年度 | 障害者雇用率 | 当時の法定雇用率 | 達成状況 |
---|---|---|---|
2021年 | 2.75% | 2.3% | 達成 |
2022年 | 2.83% | 2.3% | 達成 |
2023年 | 2.83% | 2.3% | 達成 |
2024年 | 3.00% | 2.5% | 達成 |
2025年 | 2.88% | 2.5% | 達成 |
法定雇用率達成状況
従業員数を約15,900名とした場合、必要な障害者雇用人数は以下の通りです。
基準時期 | 法定雇用率 | 必要雇用人数(15,900名の場合) |
---|---|---|
現在(2024年4月~) | 2.5% | 約398人 |
2026年7月~ | 2.7% | 約429人 |
直近の雇用率はいずれも法定雇用率を上回っており、安定的に基準をクリアしています。グループ内の特例子会社「三越伊勢丹ビジネス・サポート」をはじめとする取り組みが、その大きな支えとなっています。
今後の取り組み予定
- 障害者の職域拡大(事務・清掃・物流・販売補助など)
- ジョブコーチや外部支援機関との連携強化
- 2026年7月からの法定雇用率2.7%への対応を見据えた採用・定着施策
三越伊勢丹ホールディングスは、すでに基準を上回る水準で雇用を進めていますが、今後さらに高い水準が求められる中で、引き続き積極的な雇用と環境整備が期待されます。
『流通業界』各社の法定雇用率について
「流通業界の各社は法定雇用率を達成しているのか?」会社ごとにまとめていますので是非ご覧ください。