「三菱UFJフィナンシャル・グループは法定雇用率を達成しているの?」そんな疑問をわかりやすく解説します。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とは?
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、日本最大級の金融グループであり、三大メガバンクの一角を担っています。銀行業務を中核に、信託、証券、カード、リース、資産運用など幅広い金融サービスを展開し、国内外に強力なネットワークを持つ世界有数の金融機関です。
会社概要

会社名 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ株式会社 |
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所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 |
設立年 | 2001年4月2日 |
資本金 | 2兆1,415億円(2025年3月31日現在) |
代表者 | 取締役 代表執行役社長 亀澤 宏規 |
従業員数 | 連結:156,253名(2025年3月末現在) |
上場市場 | プライム市場(8306) |
公式サイト | https://www.mufg.jp/ |
主な事業内容
- 銀行業務(個人・法人・国際金融)
- 信託・資産管理
- 証券業務(投資銀行・資本市場)
- クレジットカード・リース
- 資産運用・投資信託
金融業界における位置づけ
MUFGは三大メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)のひとつとして、日本国内における金融取引の中核を担っています。また、米州・欧州・アジアに拠点を持ち、世界的にも上位に位置するグローバル金融グループです。
MUFGグループ会社一覧
会社名 | 事業内容 | 公式サイト |
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三菱UFJ銀行 | 銀行業務全般(個人・法人向け) | https://www.bk.mufg.jp/ |
三菱UFJ信託銀行 | 信託・資産管理・不動産関連 | https://www.tr.mufg.jp/ |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 証券・投資銀行業務 | https://www.sc.mufg.jp/ |
三菱UFJニコス | クレジットカード事業 | https://www.cr.mufg.jp/ |
三菱UFJリース | リース・ファイナンス | https://www.lf.mufg.jp/ |
アセットマネジメントOne | 資産運用・投資信託 | https://www.am-one.co.jp/ |
MUFGと障がい者雇用
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、ダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営課題に掲げ、障がいのある社員が安心して働き続けられる環境づくりに取り組んでいます。
特例子会社「三菱UFJビジネスパートナー株式会社」「菱信データ株式会社」を中心に、グループ全体で法定雇用率の達成と働きやすい職場づくりを推進しています。
特例子会社「三菱UFJビジネスパートナー株式会社」とは?

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)には、障がい者雇用を専門的に推進する特例子会社「三菱UFJビジネスパートナー株式会社」があります。2006年に設立され、厚生労働省の認定を受けた企業として、グループ全体の障がい者雇用を支える重要な役割を担っています。
MUビジネスパートナーでは、事務サポート(データ入力・資料作成)、郵便物の仕分けや配送、印刷・スキャニング、オフィス環境整備など、幅広い業務を担当しています。これにより、障がいのある社員が自分の特性を活かしながら働ける職域を確保しています。
さらに、入社後の研修やジョブコーチによるサポート、職場定着のための面談なども整備されており、安定した雇用とキャリア形成が可能な体制を構築しています。結果として、MUFGグループ全体の法定雇用率達成にも大きく貢献しています。
特例子会社「菱信データ株式会社」とは?

三菱UFJ信託銀行の特例子会社として1979年に設立されたのが「菱信データ株式会社」です。金融業界でも比較的早い時期に特例子会社としてスタートし、障がいのある社員が安定して働ける職場づくりを続けてきました。
設立背景と目的
当時の三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)が、障がいのある方の雇用拡大を目的に設立。厚生労働省の認定を受け、金融業界における障がい者雇用の先駆的な存在となっています。
具体的な業務内容
- データ入力
- 名刺・カード類の印刷
- 文書校正・印刷(DTP関連業務)
- OCR処理・文書の電子化
業務は信託銀行に関連するものが中心で、正確性や丁寧さを求められる領域を担っています。聴覚に障がいのある社員も多く活躍しており、それぞれの特性に応じた環境整備が進められています。
雇用拡大の実績
菱信データでは長年にわたり、障がいのある社員が多数在籍し、安定した雇用を実現してきました。特例子会社として、三菱UFJ信託銀行グループの法定雇用率達成にも大きく貢献しています。
MUFGの障がい者雇用の特徴
- 多様な職域の確保: バックオフィスや店舗サポートなど、障がいの特性に合わせた幅広い業務を用意。
- 働きやすさを支える制度: 勤務時間の柔軟化、合理的配慮、ジョブコーチや支援担当者によるサポート体制。
- 今後の展望: 特例子会社の役割拡大や、グループ全体でのダイバーシティ推進をさらに強化。
MUFGは国内最大級の金融グループとして、単に法定雇用率を満たすだけでなく、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めており、金融業界における障がい者雇用の先進事例のひとつといえます。
法定雇用率とは?

法定雇用率とは、企業や公的機関に対して法律で義務付けられている「障がい者を雇用しなければならない割合」のことです。障害者雇用促進法に基づき、すべての事業主に達成が求められています。
法定雇用率の定義と仕組み
常用労働者を一定数以上雇用している企業は、従業員全体に占める障がい者の割合が法定雇用率以上になるように雇用する義務があります。達成できていない場合、行政から指導を受けたり、障害者雇用納付金の負担が生じたりします。

対象企業と義務内容
- 民間企業:従業員数43.5人以上で雇用義務が発生
- 国・地方公共団体:すべての機関に適用
- 独立行政法人など:同様に義務あり
対象企業は、定められた割合以上の障がい者を雇用し続けることが求められます。
計算方法と対象労働者
必要な障がい者雇用人数は、次の計算式で算出されます。
常用労働者数 × 法定雇用率 = 必要な障がい者雇用人数
2024年4月からの法定雇用率は2.5%、2026年7月からは2.7%へ引き上げられます。例えば、従業員1,000人の企業であれば、2024年時点では25人、2026年以降は27人以上の障がい者を雇用する必要があります。

MUFGは法定雇用率を達成してる?

MUFG単体での雇用率
三菱UFJ銀行や信託銀行など、MUFGの各主要会社単体での雇用率は詳細に公表されていません。ただし従業員数が数万人規模のため、数百人から数千人規模の障がい者雇用が必要となります。そのため、単体で未達の可能性がある場合でも、特例子会社やグループ全体の雇用で補完しています。
MUFGグループ全体での雇用率
MUFGはCSRレポートにて、グループ全体の障がい者雇用率を公表しています。その推移は以下のとおりです。
- 2022年度:2.56%(法定雇用率 2.3%) → 達成
- 2023年度:2.60%(法定雇用率 2.3%) → 達成
- 2024年度:2.68%(法定雇用率 2.5%) → 達成
いずれの年度においても、MUFGグループは法定雇用率を上回っており、継続的に達成していることがわかります。特例子会社「MUビジネスパートナー株式会社」や「菱信データ株式会社」を中心に、銀行・信託・証券・カードなどのグループ各社が協力し、数千人規模の雇用体制を整えています。
このことから、MUFGは日本最大級の金融グループとして、障がいのある社員が安心して働ける環境をグループ全体で整備し、法定雇用率を確実に達成しているといえます。
『金融業界』各社の法定雇用率
「金融業界の各社は法定雇用率を達成しているのか?」会社ごとにまとめていますので是非ご覧ください。
メガバンク・銀行
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)×法定雇用率
- 三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)×法定雇用率
- ゆうちょ銀行×法定雇用率
- みずほフィナンシャルグループ×法定雇用率
- 株式会社りそなホールディングス
証券会社・投資銀行
- 野村ホールディングス×法定雇用率
- 大和証券グループ本社×法定雇用率
- SMBC日興証券×法定雇用率
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(MUFG系)
- SBIホールディングス(SBI証券)
- 楽天グループ×法定雇用率
- マネックスグループ×法定雇用率
保険会社(生命保険・損害保険)
- 日本生命保険(ニッセイ)×法定雇用率
- 第一生命×法定雇用率
- 明治安田生命保険×法定雇用率
- 住友生命保険(スミセイ)×法定雇用率
- 東京海上ホールディングス×法定雇用率
- 損害保険ジャパン(SOMPO)×法定雇用率
- MS&ADインシュアランスグループ×法定雇用率
- アフラック生命保険×法定雇用率
- プルデンシャル生命保険×法定雇用率
信託銀行・その他金融サービス
- 三井住友信託銀行
- 三菱UFJ信託銀行
- みずほ信託銀行
- オリックス株式会社×法定雇用率
- 株式会社ジャックス×法定雇用率
- クレディセゾン×法定雇用率
- イオンクレジットサービス(イオングループ系)