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障害者雇用ってどう思ってる?|リアルな意見・418人アンケート結果を紹介

障害者雇用実際にどう思っているか?アンケート

障害者雇用のあり方について、SNSやニュースでも話題になることが増えてきました。では、実際に世の中の人たちはどう感じているのでしょうか?

今回は「障害者雇用が進むことについてどう思いますか?」というテーマでアンケートを実施し、418件の回答を得ることができました。その結果をもとに、世間のリアルな声を見ていきましょう。

目次

アンケートの概要

障害者雇用についてのアンケート
  • 調査方法:インターネット調査
  • 対象:全国の男女(職業問わず)
  • 回答者数:418人
  • 調査期間:2025年8月6日~2025年8月6日

質問内容

障害者雇用が進むことについてどう思いますか? 

  • とても良いことだと思う(社会の多様性が広がる)
  • 必要だとは思うが課題も多いと感じる
  • 企業側にとっては負担が大きいのでは?
  • 制度(仕組み)として無理があると思う
  • よくわからない / 関心がない

集計結果

障害者雇用にかんするアンケート結果
選択肢件数割合(%)
とても良いことだと思う(社会の多様性が広がる)8520.3%
必要だとは思うが課題も多いと感じる27866.5%
企業側にとっては負担が大きいのでは?348.1%
制度(仕組み)として無理があると思う163.8%
よくわからない / 関心がない51.2%

表から見えるリアルな意見

アンケート結果を見ると、ほとんどの人が障害者雇用を前向きにとらえていることがわかります。

特に、「とても良いこと」「必要だと思うけど課題も多い」と答えた人が全体の9割近くを占めていて、社会の多様性や公平性への意識が広がっている印象です。

一方で、約1割の人が「負担が大きい」「制度に無理がある」といったネガティブな印象を持っているのも事実。制度だけでなく、実際に働く環境や支援体制の整備が今後の課題として見えてきました。

障害者雇用についてのリアルな意見

上記のアンケートで答えた方の個別な意見をみていきましょう。

『とても良いことだと思う』と回答した方のリアルな意見

いつか自分だって障害者になる可能性があります。そう考えると、他者に対して優しい社会のほうがいいです。発達特性など、いろいろな人がいる中で、どうしてもそういう環境がないと、働く人が足りなくなってしまうと思うからです。

妊娠・出産する女性として、一時的心身状態低下者になってしまうので、復帰も「リハビリ」が必要なので、障害者に近い存在になります。女性の社会進出、ママパパの雇用継続、少子化の改善にもつながる素敵なことだと思います。

障害者もできることはある。その考えでいけば雇用は進めるべきだと思う。もちろん課題もあると思うが、健常者だけが社会を支えるのではなく、障害者にも社会の一員としての責任感、役割などを担ってもらうことで生きがい、経済的自由を得てもらうことが大事。

障害者といってもさまざまです。特にASDやADHDにおいては、IQが高かったり、ある特定の特性以外は健常者と変わらなかったりする場合もあります。
全ての人が能力を最大限活かして働くことができたら、社会全体の効率はとてつもなく上がるはずです。障害者において、それが成せるのが障害者雇用だと考えます。

世の中、人手不足、働き方改革、外国人雇用問題等色々言われていますが、今いる人材をしっかり活用していないように思います。目線を変えて、互いにコミュニケーションを取りながら働く環境を作る事で、より生産性の高い、実力のある会社になるのではと思います。

今回紹介したコメントからは、障害者雇用を「福祉」ではなく「社会の成長戦略」として捉える前向きな意見が多く見られました。

「誰もが当事者になり得る」という視点と、「多様性こそが組織を強くする」という考え方が広がれば、障害者雇用はもっと自然で前向きなものになっていくのかもしれません。

『必要だとは思うが課題も多いと感じる』と回答した方のリアルな意見

障害者雇用は社会全体にとって「必要不可欠」であり、同時に「深い課題」を抱える重要なテーマだと考えています。障害者の方が自立し安定した生活を送るためには、職場環境の整備、指導者やサポートスタッフの配置、通勤支援や医療支援など、様々な費用がかかります。
障害者雇用の問題は、単なる雇用政策ではなく、教育、福祉、経済、倫理、すべての社会システムにまたがる「複合課題」だと思います。

健常者の職場への影響も無視できません。…「配慮が必要だからあの人には仕事を回せない」…チームの雰囲気がぎこちなくなった…人と人の調整の難しさという話です。

雇用する側に立つと、障害者に働いてもらうにあたって、どうしても制限が出てしまって、雇用しづらい面も大きいと思います。営繕部門で「耳の聞こえない人を使ってもらえないか」という話がきましたが…

障害者雇用は、社会全体の多様性や共生の意識を高める上で非常に重要だと思います。
ただし、企業側の理解不足や職場環境の整備が不十分な場合、形だけの雇用になってしまう恐れもあります。

企業への支援制度も充実しているとは思うが、実際に働いている障がいのある方の就労サポートが充実しているかについては課題があると考えます。

障害者雇用は社会にとって必要な取り組みですが、現場の声を聞いてみると「理念は賛同するけど、制度と現実にギャップがある」と感じている方が多いことがわかります。

特に「職場内の人間関係」「仕事の割り振り」「継続的なサポート」など、実務面での悩みが多く、単なる法整備ではなく、職場ごとの理解と準備が求められていることが伝わってきました。

『企業側にとっては負担が大きいのでは?』と回答した方のリアルな意見

障がい者のために健康な人ばかりが犠牲になってしまうと思います。どこまで支えて、どこからは切り捨てるかの判断、線引きができるようになっていけばいいなと思います。

企業とは利益追求団体です。そんな企業にとって負担が大きいだけの障碍者は不要であるため、利益になる障碍者を雇い入れることになります。それでは、本来の障碍者雇用の意義を達せないように思われます。

サポートが必要なので、メリットよりも負担のほうが大きいと感じている。

自分は精神障害者2級ですが、ハローワークに障害者の募集はあるのですが、企業側からすると採用するメリットがないと感じます。
リスクしかなく、健常の方を採用した方が、安心、安全だと思います。

障害者雇用に対して懐疑的な声も、決して「反対」や「差別」ではなく、現場で起きている“温度差”や“制度とのズレ”を映し出したものです。とくに企業の立場からすれば、支援体制が整っていない状況で「雇え」と言われても、むしろ負担になってしまうのも無理はありません。

だからこそ今必要なのは、「雇うことでメリットがある」仕組みをつくること、そして「無理なく受け入れられる環境」を整えること。障害者・企業・支援者のそれぞれが安心して関われるような社会を目指していきたいですね。

『制度(仕組み)として無理があると思う』と回答した方のリアルな意見

義務化されている点に疑問を感じる。
義務化されることにより不要な部署が作られるなどお互いの為になっていない様な状況や、一般社員に負担が生じるなど、社会的にプラスになっている制度なのか怪しい。

障害者雇用もはたして障害者の方々のために機能してるか疑問。
なぜなら障害年金を受給してる人は、働いていると年金の等級が下がるリスクがあるから。制度としてチグハグしている。

働く意欲があり、企業も無理なく受け入れられるならあり。法律で無理矢理制定するのはなし。
どの程度の障害によるかで変わってくると思うが、雇用側も客側もいい思いはしないと思う。

「障害者雇用は義務化されているから…」という理由だけで導入してしまうと、企業も本人も納得できないまま働くことになってしまうかもしれません。今回のコメントからも、「制度はあっても運用が難しい」「誰のための制度なのか?」という本質的な問いが聞こえてきます。

大切なのは、法律や数値の達成ではなく、誰もが納得して続けられる仕組みをつくること。そのためには制度の「あり方」そのものを、もう一度見直すタイミングに来ているのかもしれません。

『よくわからない / 関心がな』と回答した方のリアルな意見

賃金の格差が大きそう。障害の程度によっては仕事を教えるのも、逆に覚えるのも大変そう。

正直あまり関心がありません。

まとめ|前向きな意見が多数、でも「課題感」も根強い

今回のアンケートでは、「とても良いことだと思う」と「必要だとは思うが課題も多い」があわせて約9割を占め、障害者雇用に対して前向きな意識が広がっていることがわかりました。

一方で、制度上の課題や職場での実行の難しさを感じている人も多く、単なる制度整備だけでなく、職場環境や意識づくりも今後のカギになりそうです。

今後も、障害のある人が安心して働ける環境づくりに向けて、企業・社会全体で取り組んでいく必要があります。

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この記事を書いた人

法定雇用率ナビの編集部です。福祉業界員は5年以上在籍しており、企業の障害者雇用や障害者の方々のリアルな就職状況など目の当たりにしてきました。わかりやすい言葉で様々な角度からの情報をお届けできたらと思います。

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